日本ヒューマンファクター研究所 所長 桑野偕紀 ご挨拶

    日本ヒューマンファクター研究所は、1998年11月、 故黒田博士を中心としてヒューマンファクター研究を志す有志数名によりに設立されました。

    設立当時は、1995年1月に起きた阪神淡路大震災による大災害の余韻も醒めやらないなか、 医療過誤や鉄道事故、航空事故の発生などが続発し、世界的に社会の危機管理全般にわたって考え直さなければならない状況にあり、 ヒューマンファクター研究の必要性が強く求められる状況にありました。

    現在、私どもは、社会安全のためにしなければならないこととは何か、 実社会で有効な危機管理やリスクマネジメントとは何をすることなのか、 社会人のための安全教育や訓練はどうあるべきなのか、技術者の倫理やコンプライアンスをどうやって守っていくのか、 事故調査による再発防止策の策定と事故責任の追及はどう折り合いをつけていけばよいのかといった大切な問題に取り組んでいます。 特に最近は、今まで経験したこともないような経済危機や世界的な規模の失業者の増加、急速な高齢化社会への移行、 医療従事者や介護担当者の不足による問題にも直面しています。 これらの問題にも答えを求めるべく研究を重ねています。

    日本ヒューマンファクター研究所は、 今後ますますヒューマンファクターの知識が社会のために必要になる、 役に立つと確信しています。 これからはそれらを「ヒューマンファクター学」として具体的に学問的体系化することを目指して、 その成果を社会に広く普及してまいりたいと考えています。 教育と訓練、社会安全、技術者倫理、危機管理、リスクマネジメント、など、 どれを取っても人間のかかわりが重要なポイントになっています。 「ヒューマンファクター学」の確立を通じて、社会の役に立つ調査研究をし、 研修・講演を企画してまいります。 工場、病院、航空、船舶などといった設備や施設としての安全はもとより、 ヒューマンファクターの見地から、電力、プラント、公共交通、医療、といった巨大システムの安全についても 皆様のお役に立てるよう努めてまいります。どうぞご期待ください。

日本ヒューマンファクター研究所
所長 桑野偕紀

2010年1月